品確法ってなに?わかりやすく小学5年生にも伝わるように説明してみました

この家は良い家ですよ!」火事に強いですよ!」地震に強い頑丈な家ですよ!」

・・・そう言われても、「どういう風に良いの?」「どう強いの?」って、明確には答えにくいですよね。

それを明確にした法律があります。それが「品確法」

今回は、この品確法の大枠を、小学5年生でもわかるように、できるだけ優しくご紹介したいと思います。

品確法の正式名称は

品確法の正式な名前は、

「住宅の品質確保の促進等に関する法律について」

・・・長いので^^; 通常は「品確法」と省略して呼ばれています。

法律が公開されたのは平成11年6月。実際に使われ始めたのが平成12年4月です。

品確法が作られた理由をわかりやすく説明すると

法律は、何か解決しないといけない問題があるから作られます

品確法が作られたのも、解決しないといけない問題があったからです。

実はそれまで、住宅の建設や売買をする時にはさまざまな問題がありました。

買う人にとっての問題(1)

住宅の性能を表示する共通ルールが無かった

買う人にとっての問題(2)

住宅の性能に関する評価の信頼性に不安があった

買う人にとっての問題(3)

住宅の性能に関するトラブルについての解決が大変だった

売る側・作る側にとっての問題(1)

住宅の性能を表示する共通ルールがなかった

売る側・作る側にとっての問題(2)

住宅の性能について買う人の正確な理解を得るのが大変だった

どんなに

この家は良い家ですよ!

地震に強い、頑丈な家ですよ!

火事に強い家ですよ!

そう言ってみたところで、

「どこがどう良い家なのか?」

「どのくらいの揺れの地震に強いのか?」

「どうして火事に強いと言えるのか?」

明確に説明できないとわからないですよね。

明確に説明できて、お互いに納得できる基準がなく、あいまいになっている部分が多かったので、家を買う人も、建てる人も、売る人も、確認できず、その結果トラブルもあったわけです。

そして、トラブルが起こった時にどこに言えば良いのか、どこが解決に協力してくれるのかも決まっていませんでした。

この問題を解決するために作られたのがこの「品確法」なんです。

品確法の3本柱をわかりやすく言うと

①良いものを作る=住宅性能表示制度

上で紹介した、

この家は良い家ですよ!

って言われても何がどうか、具体的にわからないよね。というお話。

これについて、性能表示があります。

性能に関する10の分野についてそれぞれどのレベルかを表示するものです。

10の分野というのは

1)構造の安定に関すること
2)火災時の安全に関すること
3)劣化の軽減に関すること
4)維持管理・更新への配慮に関すること
5)温熱環境・エネルギー消費量に関すること
6)空気環境に関すること
7)光・視環境に関すること
8)音環境に関すること
9)高齢者などへの配慮に関すること
10)防犯に関すること

これらの基準が決められています。

ちなみに、この性能表示制度は絶対に利用しないといけないものではありません。

【住宅性能表示制度の利用実績】

新築住宅:平成12年10月からは、累計320万戸
既存住宅:平成14年12月より、累計約5,500戸

2019年度 建築士定期講習テキスト(別冊)より

このような結果になっています。

②財産を守る=10年間の瑕疵担保保証

新築住宅の重要な部分(構造耐力上主要な部分、雨水の侵入を防止する部分)について、外から簡単に見つけられない部分に欠陥があった時、売った側が、買った人に対して責任を追うこと。

その期間は10年ですよ、という保証です。

画像引用元:2019年度建築士定期講習テキスト(別冊)

③トラブル解決をサポートする=紛争処理体制の整備

実際にトラブルが起きてしまった時に、弁護士を紹介したり、間に立ってくれたりする機関が整備されています。

品確法は誰のため?何のため?どうして?

ここまでの説明をわかりやすい言葉でまとめると、以下のようになります。

だれのため?

住宅を買う人、作る人、売る人

何のため?

住宅を、安心して作り、安心して売り、安心して買い、安心して住み続けられるように、品質を確実にする基準をつくるため

どうしてできた?

品質を確実に保つための基準や、トラブルを解決する仕組みがなく問題があったから。

こういう仕組みや制度があることを知っておいて、ぜひ活かしてください!

投稿者プロフィール

トリノメ
トリノメ
トリノメ建築設計の広報担当。ウェブサイト作成や記事の執筆を行っています。「小学5年生でも理解できるわかりやすい記事」を目指しています。